埼玉支部2024年度研修会報告

<日時> 2024年9月21日 土 13:30〜16:00

<会場> 文教大学 越谷校舎 13号館2階 13201教室(対面)

<テーマ> いじめ防止における教育相談・生徒指導の役割 ー早期発見・未然防止のためにー

<講師> 髙橋智己 氏 (上越教育大学教授、いじめ・生徒指導研究センター長)

<参加者> 62名

高橋先生は「いじめを早期発見しにくいのはなぜか?」との問いに対して大学生と大学院生を対象に自由記述(複数回答可)の方法で調査を実施されました。79名から回答が得られ、381項目に及ぶさまざまな理由が挙げられたことを報告しました。これらの項目は(1)生徒の要因、(2)教師の要因、(3)発見方法の不備の3つの要因に分けられました。さらに「いじめを発見しにくい理由」として19の要因にまとめています。

まず、受講者は要因番号1から19について、各自で納得の度合いにより1点から10点の範囲で得点を付けました。その後、4名ほどのチームになり、チームで得点の高いベスト3を選んで発表します。選んだ要因については個々の体験から語られることが多く、意見交換はいじめの実態を知る手がかりとなりました。受講者全員の参加による主体的な学びとなり、事例研究とは一味違う新たな校内研修スタイルとして画期的であると感じました。

文部科学省は2023年10月に「不登校・いじめ 緊急パッケージ」を発出しています。大学と教育行政、学校の3者連携の「タブレットを活用した生活アンケート」を実施するメリットは、(1)本音の答えやすさ、(2)処理の時間の低減、(3)調査に対する安心感です。高橋氏は、生活アンケートによる早期のアセスメントの実施により、ローカルな子どもたちの内面の語りに触れるなかで、標準化されたものでは分からない、一人ひとりの子どもの心の機微を理解することに役立つと述べています。

これからのいじめ・不登校対策として「すべての子どもの学びを止めない」、楽しい学びの場、社会性の陶冶の場としての授業、学校をつくることが重要であると高橋氏は語られました。いじめの早期発見、予兆・リスク因子を見つける「早期発見のためのアンケートの実施」が急務であることが示唆される学びの多い研修会になりました。

(文責:埼玉支部理事 亀田秀子)