北関東ブロック研修会報告

<日 時> 2024年3月23日(土) 15:00~17:00

<会 場> オンライン(ZOOM)

<テーマ> トラウマインフォームドケアによる子どもの理解と支援

<講 師> 亀岡智美氏(兵庫県こころのケアセンター副センター長兼研究部長)

<参加者> 130名

北関東ブロック2024年度研修会では、兵庫県こころのケアセンターの亀岡智美先生に「トラウマインフォームドケアによる子どもの理解と支援」のテーマでご講演をいただきました。

トラウマについて「過剰な刺激により人間の心がもっているある種の防護壁が壊れてしまうこと」であると説明されました。学校における生徒や教師のトラウマの事例として、「暴行、子ども虐待、子どもの犯罪被害、性的暴行、いじめ・スクールハラスメント」等があげられました。実はたくさんの人がトラウマを体験しており、なかでも、より深刻であるのは「逆境的小児期体験」であるとのことです。これは生涯を通じて心身の健康や幸せに悪影響を与えているとのことが示されました。大切な視点として、身体外傷とトラウマ(こころのケガ)への支援者の対応には違いがあり、そのためにも、「トラウマについてよく知る」ことが重要であると述べられました。

「トラウマインフォームドケア」は単なるHow to ではなく、広く人を支援する際にすべての支援者に求められる基本的な態度のことです。「安全、信頼性と透明性、ピアサポート、協働、エンパワメント、謙虚さと対応性」の6つの基本原則で支えられているということです。前提になる4つの条件として、「知識を持つ、気づく、対応する、再トラウマの予防」があげられます。実際のケアでは、エンパワメントの視点を持ち、トラウマのメカニズムを共有し、気持ちに寄り添うことが必要で、子どものこころの内を想像する対応が求められるとのことです。実際に、「トラウマインフォームドな対応方法」についての模擬ケースを小グループに分かれて検討し考察することで、学んだ知識を演習によって深めていく有意義な体験となりました。教育現場のさまざまな場面で応用していけると実感できました。

トラウマ支援は危険業務であるという認識を組織全体で共有し、職員の安全を大切にする組織風土を構築することの重要性、トラウマインフォームドな組織づくりを目指すことの大切さが示されました。67枚に及ぶ貴重な資料をご提供いただき、エビデンスに基づいて分かりやすく丁寧にご講演してくださった亀岡先生に改めて感謝申し上げます。

                         (文責:埼玉支部理事 亀田秀子)